【児童文学】だれも知らない小さな国(作:佐藤 さとる)

 こどもの頃にこびとや妖精、妖怪といった存在に会いたいとか見たいと思った人は少なくないと思います。この物語は、そんな小さな人たちと人間のお話です。

 このブログで最初に紹介する本は何にしようかと考えた時、やっぱりこの本だよね!と思える私にとって本好きの扉を開いてくれた本が、この本です。

あらすじ

 『だれも知らない小さな国』は、小学生の主人公が近所の里山で不思議な小山を見つけるところから始まる物語です。”こぼしさま”と呼ばれる小さな人たちが住んでいると言われるその場所を、主人公は大切に思い、彼らに会いたいと願うようになります。

 月日が流れ主人公は大人になり、何年かぶりに大切に思っていた小山を訪れました。そして、ついに”セイタカサン”と”こぼしさま”の交流が始まります。主人公が”ヤジルシノ サキッポノ クニ”を守るために彼らと協力しながら奮闘する姿が描かれています。

私にとってのこの本

 私がこの本と出合ったのは、小学校中学年の頃です。この本を手にしたきっかけは覚えていませんが、この物語に惹き込まれ自分の周りにもコロボックルがいるのではないかと、影が動いたような気がすると探したものです。

 そして、学校の図書館にこの話の続きがあると知り、図書館から本を借り始めたのもこの頃からでした。あまりにも続きが読みたくて、本を読みながら歩き、学校の先生に注意されたのは懐かしい思い出。(危ないので、みなさんはマネしないでくださいね。笑)

 大人になってから、自分の働いたお金でコロボックルシリーズを全巻揃えた時の満足感はひとしおでした。今でもたまに開いて読み返す、私にとってのバイブルと言ってよい本です。

おすすめしたい人

 何といっても小学生から大人まで読んで欲しい本。そして、大人になってから読み返すと、また違ったポイントに気付きがある本です。少し漢字も多いですが、小学校中学年くらいから自分で読めるかと思います。

 小学生の頃は、コロボックルってなんだろうとか、自分の周りにもコロボックルいるかなといった想像を広げることができます。また、こぼしさまの世界を守るといった考え方は、自然環境の保護にも気付きを与えてくれるでしょう。主人公の住む世界は(ちょっと?昔ですが)私たちが住む日本のどこかなので、身近に感じやすいのではないでしょうか。

 大人になって読んだとき

そんなこぼしさまを、地面の下へ追いこんだのは、乱暴で欲張りの人間どもだ

引用『だれも知らない小さな国』佐藤 さとる:作

この一文が心に残りました。こどもの時は特に気にならなかったフレーズですが、大人になって読むと感じ方や気になるポイントも変わるのだと改めて気付かせてもらった気がします。

まとめ

この本は、”こぼしさま”と呼ばれる小さな人たちと主人公の交流、彼らの世界を守るための奮闘を描いた物語です。

小学生から大人まで楽しめますただし、自分で読むには小学校中学年~高学年の漢字力が必要

コロボックルについて知りたくなったり、探したりしたくなったりします。(笑)

・物語を読み進める中で、自然環境の保護にも気付きを与えてくれます

以上、参考になったら嬉しいです。

今後もいろいろな本を紹介したいと思います。

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